【新入社員研修】社会人生活は山でスタート!同期との関係を深める2日間。
2022年4月、信濃毎日新聞社新入社員研修のプログラムの1つとして「信州アウトドア研修」を実施しました。入社も早々に、彼らの社会人生活は山でスタートです!長野県出身者は中学生以来の登山だったり、県外出身者の中には登山の経験が全くない人もいました。「人生山あり谷あり」。今回の研修での学びは今後の人生でも多いに役立つはずです。
研修の目的は次の通りです。
信濃毎日新聞社は長野本社と松本本社、そのほか県内外に支社局があり、新入社員研修以降は同期全員が集まる機会は多くありません。時節柄、新入社員研修期間の懇親の場も大幅に減り、同期との関係を深める貴重な機会として信州アウトドア研修を導入しました。
研修は2日間です。
1日目、前半は室内での講義とミニゲームを取り入れたアイスブレーク。後半はASEと翌日の登山計画です。2日目は登山を含む野外活動です。
会場:信濃毎日新聞本社、飯綱高原、近郊の里山 (いずれも長野市)
<1日目>
前半
①アイスブレイク(軽く体を動かすアクティビティ)
②室内での講義 (研修目標の設定、自身やメンバーの性格把握ワーク など)
後半
③ASEプログラム
④登山ガイダンス (地形図の読み方、登山計画 など)
⑤たき火トーク (たき火を囲み、メンバーの話を聴く時間)
<2日目>
前半
登山に向けて宿舎出発
登山活動開始!
後半
下山 登山活動の振り返り
移動 研修全体の振り返り、学びを実践するアクションプラン作成
1日目前半は本社講堂で研修目標の設定、自身やメンバーの性格を把握するワークです。今回の研修は経済産業省の「社会人基礎力」を参考に、1人1人がこれから伸ばしていきたい力を挙げ、研修を通して能力の向上を図ります。これまで受講してきたプログラムと異なるためか、緊張が少し感じられます。
初めは少し硬かった空気も、会話が増えると自然と柔らかくなり、笑顔が見えたり、笑い声が増えてきます。簡単に思える脳トレのようなゲームも、身体と脳がうまくリンクしないと意外と難しいもの。メンバーのアイスブレークと脳のストレッチです。
長野市北部の飯綱高原に向かいます。市街地から車で20分ほどの距離にある宿泊施設で午後の部をスタート。まずは「ASE*」プログラム。軽く体を動かすミニゲームで課題はシンプルですが、なかなかクリアできません。何が難しいかと言えば「全員が協力して頭と体の動きを合わせること」に尽きます。自分の頭の中で思い描いているアイデアやメンバーにして欲しい動き方を、どのような言葉で表せばいちばん相手に伝わるかを常に考えながら課題にチャレンジします。時間制限もあり、課題をクリアすることに関してチーム全体が徐々に熱を帯び始めます。
2日目の登山活動のガイダンスです。まずは登山の基礎知識として地形図の読み方やコンパスの使い方、時間や距離の計算を習得します。その後いよいよ2日目のミッションが示されます。ここで2チームに分かれ、チームごとに山行計画を立てます。学んだばかりの新しい知識を使い、ルートやタイムスケジュールを組み立てます。食事計画も考え、必要な食糧を準備します。講師はアドバイスまで。自分たちでゴールまでの道筋を描きます。
宿舎へのチェックインと夕食を済ませた後に「たき火トーク」の時間を設けました。自分の幼少時代からの話や、いま熱中していることなど、テーマは自由。本来は野外で本物のたき火を前に実施したかったのですが、冷え込みが強く、たき火映像を投影して室内での実施です。本物のたき火にはもちろん及びませんが、リラックスした雰囲気の中でセッションは進みます。これまでも研修期間に同期との会話はかなりあったようですが、同期の意外な一面を知る機会になりました。
宿舎で朝食を済ませ、登山活動の拠点に移動します。フィールドは市街地からほど近い里山エリア。晴天のもと、準備運動をしていよいよスタートです。チームごとに必ず講師が帯同しますが、参加者は(チームが)自ら決めた計画に沿って進みます。登山中は、「リーダー」をはじめ参加者1人1人に役割が与えられます。自分に与えられた役割をどのように果たすのか、自ら考え実践していくことが学びの源泉です。
今回の研修ではルートの一部でオフトレイルを使用しました。整備された登山道とは異なり、あまり人が入っておらず踏み跡がないエリアです。地形図と周囲の状況を照らし合わせ、自ら進む方向を判断します。「自分の現在地が明確ではない」「進路が分からない中でチームで相談して決めなければいけない」状況に身を置くことにより、状況判断力や決断力が発揮される場面です。研修で使用するルートは、必ず事前に講師が下見を実施しています。
山に入ると動物が生活している跡や街中にはない植物を見ることができます。今回は鹿のフンが多く見られました。いわゆる「けものみち」の存在も間近で見ることができます。樹皮が特徴的な木やキノコなど、講師が分かる範囲ではありますが、研修中に紹介しています。チームでの行動から学ぶことが一番の目的ですが、普段見ることがない自然を体験できるのも野外研修の大きな魅力です。
体を動かすためのエネルギー補給を考えることも野外研修の大きな要素です。空腹では体を動かせませんし、思考能力も低下します。「リーダーシップ」「チームビルディング」よりも「自分が動けること」が大切です。メンバーとコミュニケーションをとってエネルギー補給が必要かどうかを判断し、限られた時間の中でしっかりと栄養を補給します。前日に準備した食糧のほかに、今回も味の素株式会社様からサンプリング提供いただいた「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®」が後半まで途切れないパフォーマンスをサポートしてくれました。
ビジネスの現場は、大小さまざまな無数の意思決定の連続です。野外研修でも同様の場面に対峙します。目的を達成するために、現在地や残り時間を正確に把握し、メンバーの体力や各自が考えていることを共有し、最終的にチームとしての方針が決まり、進みます。
会議室などで実施する室内講義型の研修においては、ロールプレイングを取り入れ、チームで仕事をする際に起こりやすい問題を設定し、参加者同士で役割を演じるなどしてチームのメンバーに対するコミュニケーションを学ぶことができます。一方で野外研修はチームと参加者が目的達成に向けてまさに動き、悩みながら前に進もうとしている“リアル”な状況から学びます。
2チームとも制限時間内にゴール地点に到着しました。参加者は少し疲れた様子ですが、その顔にはしっかりと達成感が見えます。20分ほど、ゴール地点で2日目の登山活動の振り返りをします。
・ターニングポイントはどの場面だったか
・登山中にいくつかあった重要な判断は間違っていなかったか
・チームとして機動性が高かったか
・コミュニケーションはとれていたか
などをチームで振り返ります。
ゴール地点から長野本社に戻り、2日間の研修全体を振り返ります。
・自ら伸ばしたい力として挙げた能力は向上したか
・研修中のどの場面が能力向上に寄与したか
・その体験から何を学んだのか
・仕事をする中で想定されるさまざまな場面で、今回の研修はどのように生かしていくか
など、まずは個人で振り返り、翌日からのアクションプランを作成します。2日間の研修を通して学んだことは、参加者自身で振り返るだけでもたくさん挙げられます。個人での振り返りに加え、チームに共有してメンバー同士でフィードバックしあうことで、自分だけでは気づかなかった点を発見することができます。
(抜粋)
・県外出身者がいる中で、信州の魅力の1つである「山」で時間を過ごせたのは貴重な時間だった。他者からフィードバックをもらうという経験が今まではほとんどなかった。フィードバックをもらうのは少し緊張したが、自分の成長を目的に伝えてくれていると考えたら、素直に受け入れられた。同様に自分からメンバーへのフィードバックは相手の改善できる点、言い換えれば弱みを伝えることなので初めは戸惑いがあった。ASEや登山を通して、メンバーとの関係が今までより深くなり、終盤には相手にフィードバックを伝えることにも自信が持てていたと感じる。時間の都合で仕方がないが、もう1つのチームのメンバーとも体験を共有したかった。
(抜粋)
・野外研修までに時間をともにしていたので、関係はある程度できていた。研修の翌日は会話する場面がこれまでより多く見られた。室内での座学と比較し、非日常で体験を共有することは関係構築に効果的だと感じる。セルフヒストリー(たき火)は室内での実施で残念だったが、参加者から初めて聞く話もあり、パーソナリティを知る機会として貴重。スケジュールにもう少し余裕を持たせてもよかったかもしれない。
若々しい皆さんのステキな笑顔で締めくくりました。配属先で本当の社会人生活が始まります。一緒に頑張りましょう!(両端は講師です)
新入社員研修の実績
新入社員研修はビジネスマナーや一般知識などは講義形式で、業務に必要な技術(資格や業務特有の知見)はOJTで習得、とすることが多いと思います。野外研修は仕事をしていく上で欠かせない、メンバーとの「関係」を深め、チームでの自分の役割を意識し実践する力を高めることが目的です。参加者自身の気付きを促し、自ら行動を起こすことができる人材育成をお手伝いします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
野外研修の新入社員研修への導入を検討するにあたり、次のような懸念があると思います。
・感染症対策は?
・ケガのリスクは?
・天気が悪い時は?
・研修費用はどれくらいかかるの?
・初心者でも参加できるの?
・登山経験がある人がいる場合は、研修により期待される効果が薄まるのでは?
詳細を詳しくご案内させていただきますので、「お問い合わせフォーム」から、または次まで気兼ねなくお問い合わせください。
◆信濃毎日新聞社 ビジネス開発室
「信州アウトドア研修担当」まで
お電話 026-236-3339(平日10~16時)
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