＜研修で身に付けた力、気づき、学び＞研修の最後に一人ひとりが発表
「道に迷った時、来た道を戻った。ただ進むのではなく、仕事でもトラブルの原因などをすぐに決めつけず、一度立ち戻って周囲に聞いてみる」
「登山中に最後尾からチーム全体を見る『スイーパー』の役割をした。その視点で、仕事で先頭に立った時は広い視野を持つ」
「リーダーで困った時、周囲を頼り、役割を振り分ける」
研修会場は長野市飯綱高原のアソビーバナガノパーク。
6人はそれぞれ、１２項目ある「社会人基礎力」から、「計画力」「発信力」「傾聴力」など２つを選び、研修目標に据えました。
続いて、身体的、心理的に負荷のかかるゲーム形式の課題解決型のアクティビティである「ASE研修」に挑戦。課題ごとにリーダーを交代し、フィードバックを行いました。
午後は、翌日の飯縄山登山に向け、コンパスの使い方や地図の読み方を学び、山行計画を立てました。
夕飯と翌日の朝食は自分たちで用意。２つのチームに分かれ、用意された食材から献立を考える
「チームクッキング」で、ナポリタンやカレー、コンソメスープなどが食卓に並びました。
夜は焚き火を囲み、自らの歩みや入社理由、夢などを語る「セルフヒストリー」。学生時代に力を入れたことや休日の過ごし方なども含め、同期の話を聞きました。
初日の最後に、研修1日目の振り返りの時間を設けました。チームとして、続けた方がいいこと（Keep）には「コミュニケーション」「積極性」など、やめた方がいいことや改善点（Problem）として「最終意思決定をはっきり」、変えていった方がよいこと（Try）には「意見を一つにまとめる」「リーダー以外のリーダーシップ」などが挙がり、翌日の登山で意識することにしました。
2日目は自分たちで作った山行計画に基づき、午前5時頃から朝食を準備し、登山口近くに移動。スマートフォンのGPS（衛星利用測位システム）を使わずに、国土地理院の2万５千分の１の地形図とコンパスで登山道を探します。
「現在位置を確認しよう」
「地図上にあるこの道がここなら、こっちの方角にいくのかな」
「リーダー、こっちに行きますか？」…
登山口を見つけられず、1時間ほど右往左往。
リーダーのほか、中心になってルートを探す「ナビゲーター」、歩く速さを調整する「ペースセッター」、最後尾を歩く「スイーパー」など、それぞれの役割を果たそうとするものの、完全に迷い、来た道を戻る決断をしました。
何とか別の登山口を見つけ、最初の目標地点にたどり着きました。
登山中の振り返りでは「何となくの感覚で判断してルートを決めない」「根拠を基に、進む方向を決めるべきだった」「これからの仕事では、お客さんに『なぜそうなのか』ときちんと根拠を示していきたい」などの発言がありました。
樹林帯を抜けると、北アルプスや遠くは御嶽山なども望める大パノラマが開けました。
山頂では行動食と「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®」でエネルギー補給。前日の「セルフヒストリー」の中で、地域貢献に取り組みたいと話すメンバーが多かったので、下山中にできることを考え、登山道のゴミ拾いをすることにしました。
また、前夜の振り返りで確認した「より高い目標を目指す」ため、登り始めで迷った道を下山の際に探すことに。地図読みの力を発揮し、見事に登山口を見つけることができました。
研修の最後の振り返りでは、他の同期へのフィードバックを行い、強みを褒めるとともに、改善点もアドバイス。「チャレンジ精神が強いのですべて自分でやってしまっていた」「気づいたことを他のメンバーにもっと共有してくれるといい」「周囲の様子が見えていながら一人で行動しがちなので、周りにいろいろと伝えてから行動した方がいい」など、互いの成長を期待し、エールを送り合って2日間の日程を終えました。
【研修担当者の話】
「弊社新入社員向けに企画いただいた研修に同行させていただきました。研修の中で、課題を達成するために、個々の役割を意識しながら、協力して取り組む姿勢が印象的でした。単に『厳しい、キツい』ではなく、状況・場面に応じてそれぞれが考え、チームとして決断することで、チームワークや課題解決力の向上に繋がったと感じました。内容の濃い研修で、メンバー同士の結束が強まり、お互いに助け合える関係性が築けたと思います」
（注）社会人基礎力職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として経済産業省が提唱。「主体性」「働きかけ力」「実行力」「課題発見力」「計画力」「創造力」「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」の12項目
