紅葉見頃の美ケ原へ 花村産業様の新人研修
「今回の研修で自分の成長を見ることができ、とてもうれしく、自信もついた」
「自分がどういう性格なのかを知る機会があり、長所として職場を盛り上げ、もっと楽しく仕事をしていきたい」
(受講者の声)
花村産業(松本市)様の新人研修(男性5人、女性3人)を2023年10月中旬、松本市の美ケ原などで実施しました。秋晴れに恵まれ、2日目の登山研修では紅葉した木々を眺めながら歩みを進めると、冠雪した富士山や北アルプスの山々が望めました。
研修の冒頭、「信州アウトドア研修」を受講したことある宮田浩章執行役員総務経理部長が「自分から積極的に関わっていってほしい。考えながら研修を受け、なりたい自分を考えて」と呼び掛けました。
会場は松本市入山辺の桜清水コテージ。標高約1300㍍にあり、屋外に出るとひんやりしています。
2チームに分かれ、ゲーム形式の課題解決型のアクティビティ「ASE研修」(Action Socialization Experience)に取り組みます。リーダーは「作戦会議をしよう」「何かいい案はある?」と積極的に呼び掛けます。リーダーへのフィードバックでは「掛け声が出ていたのでムードが上がった」との声の一方、「(一つ一つの動作が)大雑把になってしまったので、もう少し的確な指示があると良かった」との指摘もありました。
続いて、翌日の登山研修に向けて、コンパスの使い方や地形図の見方についてレクチャーを受け、目標地点を目指す登山計画を作りました。
夕飯の「チームクッキング」は火起こしから始め、「すいとん汁」「ミートソーススパゲティ」「パリパリにしたレンコン」「海藻サラダ」が並びました。
夜はだいぶ冷え込んだため、焚き火トークに代わり、コテージ内でキャンドルを灯して「セルフストーリー」。最近見つけた仕事のやりがいやプライベートの時間の過ごし方など近況報告をしました。
2日目の朝もチームクッキング。「ジャーマンポテト」「フルーツの盛り合わせ」などを手早く作り、スタート地点に向かいました。
ひとつのチームは、スタートしてすぐに迷ったものの、登山道を見つけてからは順調に進みました。ただ、長い登り坂になると、息が上がってしまうメンバーも。休憩をしながら進みます。リーダーは目標時間からの遅れに気づいているものの、他のメンバーになかなか伝えられません。遅れを取り戻そうと、自ら地形図を確認しながら最後尾からペースを維持するように促します。講師は「任せられることは信頼して任せよう。他のメンバーが自分の役割でリーダーシップを発揮しやすい環境づくりを心掛けよう」とアドバイスしました。
途中、味の素株式会社様からサンプリング提供頂いた「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®」でエネルギー補給。下山は安全確保のため、予定より1時間遅くゴールタイムを設定。正確にルートを選択し、疲れが見えたものの時間通りゴールしました。
もう一チームもペースが速く、登り始めて20分ほどで一人が動けなくなります。リーダーは「何分ぐらい休憩する?」と声を掛けます。ペースを落とし、休みながら進みますが、体調も悪く、しばらくしてまた足が止まってしまいます。
ここからの選択肢は「何とか全員で目標地点を目指す」「目標地点まで行けそうなメンバーだけで登る」などいくつかあります。講師はチームの様子を見守り、積極的にアドバイスはしません。数十分後にチームが出した結論は「4人全員で下山を始め、最後まで一緒に歩く」でした。
下山後、講師は「メンバー全員が納得できるかどうかを考え、最善の選択をした」と説明。リーダーは「速くて自分も汗をかいていたが、速いと言いだせなかった」、他のメンバーも「(速いと)言い出しにくい雰囲気をつくってしまったかもしれない」と話しました。
「信州アウトドア研修」は、野外での予期せぬ出来事に対処する方法を受講者自らが考えます。講師は問題の解決方法を教えることはしません。野外研修の先進地、米国発祥の研修モデル「SPECモデル」(学習者がより能動的・主体的に学習するための教授法)によるカリキュラムを採用しています。体力勝負で目標地点を目指す研修ではなく、プロセスを重視します。
詳しくは研修担当者向けの資料やオンラインセミナーなどで説明しています(下記参照)
【受講者の振り返りから】
「研修前は、自分のペースでやっていこうとの考えだったが、リーダーの仕事をきちんとこなそうと思い、自然と他の人の行動を観察して動くようになった。大きく成長した力だと思う」
「アクションを起こす際、自分から行動する積極性を発揮していきたい」
「地形図の見方が『分からない』と素直に言ったら、周りが助けてくれた。自分の気持ちを伝えるのは苦手だが、言って良かった」
「自分はリーダーという役割はあまり関係ないと思っていたが、この2日間は自分も仲間も意識していたのでレベルアップしたと感じた。特に主体性を持ち、多く発言することを心掛けていきたい」
「前に立って行動するだけではなく、自分ができる役割を探して組織全体に貢献する」
「会社ではチームワークを大切にし、お互いが何の仕事をすれば効率良く進められるか計画性を持ちたい」
「目標達成に向けて直接関係がないような会話でも、相手の状況を知ることができ、結果的に目標達成につながることがあると気づいた。実践していきたい」
▽SPECモデルとは
Student-Centered 受講者中心
Problem-Based 問題重視
Experiential 体験的
Collaborative 他のメンバーと協働の頭文字
受講者自ら(Student-Centered)が問題解決の過程(Problem-Based)で体験を分析(Experiential)し、他のメンバーと協働(Collaborative)します。
開催済み【無料オンラインセミナー】 https://outdoor.shinmai.co.jp/news/1534/
自ら解決する人材を育て、研修効果持続のためにできること。
あすから実践できる「SPECモデル」の最新事情~ 野外研修がたどり着いたメソッド
▽2023年1月18日(水)午前11時~正午
▽2023年1月24日(火)午後1時半~2時半