FICT様 新人研修 飯縄山に登山 配属後の目標「苦手なことも助けを借りチャレンジ」「疑問やミスを早めに相談」
4月からの新人研修のまとめの位置づけで、10人の受講者は各部署への配属を前に自らの課題を確認するとともに、今後具体的に取り組みたい目標などを共有しました。
FICT様の採用情報のサイトでも研修について紹介しています。
1日目の会場は、長野市飯綱高原のアソビーバナガノパーク。初日の大きな課題は野外炊事場での「チームクッキング」と翌日の登山計画作りで、5人ずつの2チームに分かれて取り組みました。「信州アウトドア研修」では課題ごとにリーダーを交代し、研修期間中にチームのメンバー全員が少なくとも1回はリーダーを務めます。
夕食の「チームクッキング」は米、パスタ、ニンジン、サバ缶、オレンジなどの食材から、リーダーを中心にメニューを考えます。スマートフォンでレシピを調べることは禁止。リーダーは、食べたいものや作りたいものが異なるメンバーの意見を調整し、調理の知識やスキルを持ったメンバーを見極めなければなりません。
「ミニピザ」「スパムご飯」「わかめスープ」などが出来上がり、リーダーは「最初からメンバーの役割分担を決めていたのでスムーズにできた」と話しました。
初日は、体を動かしながら簡単なゲームに挑戦するASE(Action Socialization Experience)研修も実施。ビー玉やロープなどを使った課題にリーダーを交代しながら挑戦しました。
(登山計画作りの具体的な中身は、実際に受講するまでのお楽しみです)
夕食後は、飯縄山の上に北斗七星が輝く満天の星空が広がり、焚き火を囲んでの「セルフヒストリー」の時間。他人にありのままの自分をさらけ出す「自己開示」と、他人は自分と違う考え方をすると認識する「他者理解」を図ることが狙いです。「今ここにいる理由」などを一人ひとりが語りました。生い立ちから学校生活、入社の動機などさまざまで、約2時間、仲間の話に耳を傾けました。
2日目は午前6時前から行動開始。野外炊事場での「チームクッキング」で朝食を済ませ、戸隠に移動。戸隠神社中社にお参りをしてから登山です。地形図やコンパスなどを使い、前日作成した登山計画に基づき、登山道を探しますが、2つのチームとも悪戦苦闘。なかなか計画通りには進みません。中学校の学校登山以来というメンバーが多く、登るペースや休憩の取り方などを試行錯誤しながら目標地点を目指しました。途中、味の素株式会社様からサンプリング提供頂いた「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®」でエネルギー補給をしました。
「ここまで来たら登りたい」「(登り続けるには)心配なことがある」「このまま登るという選択をすると、下山時刻に間に合わないかも」。目標地点まであとわずかのところで、一つのチームが登山道で立ち止まって話し合いを始めました。数分間の議論の結論は「目標地点まで登らず、ここで引き返す」でした。
断念をしたチームは、達成感をはじめ、メンバーの体力や安全など、多くの要素を含めて話をし、メンバーが納得した上で決断をしました。下山後の振り返りでリーダーは、登るスピードや休憩の取り方について「みんな疲れている中でどうすれば良かったのか・・」と悩んだ様子で話しました。
「信州アウトドア研修」は、登頂だけが目的ではありません。山頂からの光景を眺めながら味わう達成感は何物にも代えがたいですが、プロセスを重視します。もう1チームは目標地点に到達したものの、途中で下山したチームと同様に目標の下山時刻には間に合いませんでした。
講師を務める信州アウトドアプロジェクト(長野県栄村)の島崎晋亮代表は、「野外研修で起こることは、一見するとビジネスの世界とかけ離れて見えますが、日常で起きている問題と原因は同じです。職場での課題はその中にいると見えづらいですが、野外研修ではその課題が浮き彫りになります」と話しています。
チームで登山に取り組むことで、意見や考え方の違いを尊重することができた。私は一番体力がなく、チームの動きに支障をきたしてしまったが、他のメンバーが常に気にかけてくれた。登山自体はつらかったが、周りの助けで困難を乗り越え、自信につながった。非日常の中で追い込まれることで自分の限界まで努力できた。
配属後は、苦手なことでも周囲の助けを借り、努力をして、目標達成を常に意識しながらさまざまな仕事にチャレンジをして経験値を高めていきたい。(先行技術開発 女性)
1日目のASE研修でリーダーをした際、分かりやすく説明できずに一部の人に伝わっていないことがあった。リーダーとして2日目に山を登っているとき、数字などのデータを交え論理的に話すことでチーム全体に正確に伝わった。メンバーの疲れ具合を見ながら休憩することもできた。これまでの社内の研修よりも一致団結し、主体的に取り組むことができた。今回のチームでの活動を通じ、今後多くの人と関わりながら仕事をしていく上でとても重要なことが分かった。
配属先は年齢の離れた人たちばかりだが、委縮しないで、より具体的、論理的にはっきりと意見を伝えていきたい。(生産管理 男性)
自分の考えを明確に示し、それをぶつけ合うことが信頼関係を築く上で必要と分かった。言いたいことを話しているつもりでも遠慮があったりして、本音で話す難しさを感じた。率直な意見を出しにくい状況では、プロジェクトが誤った方向に進む可能性があるので、今後は意識をして意見を発信したい。研修前も「人に仕事を任せきりにしない」「達成できないと判明したプロジェクトは早期に切り上げる」(損失を最小限に抑える)などの言葉は知っていたが、研修を通じて身をもって意味まで理解できた。
配属後は、疑問やミスを早めに相談したい。疑問を持つことができるように、なぜその作業、行動が必要なのかを考えながら観察をする。早期にミスに気付けるように先輩に確認をし、自分でも確認作業をしたい。(半導体基板 男性)
社内での研修と全く異なる状況下で全体の様子を把握するために、主観だけで判断するのではなく、他のメンバーに声を掛け、新たな発見や視点を得た。お互いの個性を生かし、目標達成に向けて活動できた経験はとても貴重だった。自分の中では最適な方法と思っても、他のメンバーと話すことでさらによい方法を見つけることができた。一方、意見の食い違いや合意を得るのが難しい場面もあり、チームでの活動の難しさも分かった。
配属後は、主観だけを頼らず他の人の意見を取り入れたい。行動を起こす前に近くの人に相談をし、自分の足りない部分を補っていきたい。(財務経理 女性)
研修担当者の話 経営管理・人事部 清水 麻裕様
「弊社新入社員向けに企画いただきましたアウトドア研修に、彼らの採用担当として、同行させて頂きました。2日間の行程で、彼らがチームとして成し遂げるべき目的と制約の狭間で、何とか課題を達成しようと、各々が発信を試みている姿や、その中でリーダーはどう決断を下すのか、試行錯誤する姿が印象的でした。
こうした姿を自ら振り返り、チームの中でどのように働きかけるべきだったのか、これからどのように働きかけるべきなのか、学びと気づきをどんどん大きくしていく様子が、傍らで非常によく感じ取れました。
また、この2日間の濃い研修は、自身の成長のみならず、相互理解を深め参加者同士のきずなをより強固にするものであると感じています」
【参考】 FICT様の長野県移住関係情報発信サイト「SuuHaa(スーハー)」の記事
「人手が足りないんです!」ビジネス拡大が止まらない、地方メーカー企業の最新事情
(人材育成や働き方などに触れています)
【受講実績・声】 美ケ原で体験会を開催しました(2021年10月)
FICT様など長野県内の6社から20~50代の男女9人が参加