「リーダーが力を発揮できたとき」とは 花村産業様 若手社員研修
研修全体を通して、リーダー役の受講者が力を発揮していた場面には、いくつかの共通点が見られました。
10月中旬、美ヶ原高原の麓に位置する「桜清水コテージ」を会場に、一泊二日の研修を実施しました。桜清水コテージは松本市街地から車で約20分とアクセスが良く、長野県らしい自然環境の中でリフレッシュしながら学べる研修に最適なフィールドです。
研修冒頭、花村産業のご担当者様より次のような言葉をいただきました。
「あまり意識しないだけで、職場以外の何気ない日常にも仕事につながる気づきがある。今回の研修での学びがすぐに会社で活きることもあれば、5年後・10年後に気づくこともある。ひとつひとつの時間を意識して、仕事につながるものを見つけてほしい。」
信州アウトドア研修では実践的なプログラムを通じて「考えて動く力」「協働する力」を育むプログラムを提供しています。非日常の環境だからこそ、普段は見えにくい個々の強みや課題が浮き彫りになり、記憶に残る学びとして定着しやすいことが特徴です。
最初にアイスブレイクを行い、自分や他の参加者の思考・行動傾向を知る特性把握ワークを実施しました。その上で、参加者それぞれが職場での自分を振り返りながら成長目標を設定。自身の特性をなんとなく理解はしていたが言語化されたのは初めて、という声も多く、研修の土台づくりとなりました。
最初のグループワークはASE※を実施。ゲーム形式の課題に挑み、アイデア創発やトライ&エラーを繰り返すことで、短期間で行動変容を促すプログラムです。
課題ごとにリーダー役を交代し、終了後には必ずチームとリーダーへフィードバックを行います。他者の視点を通じて自分の行動に気づき、それを次の課題に活かしていく循環を生み出します。
参加者からは以下のような声があがりました。
「特性に主体的な人がいなかったので積極的に発信をした」
「多くのアイディアが出る中、つながりそうな案をまとめてもらえたことでチーム全体が同じゴールに向かえた」
「全員が黙ってしまった場面で、場を動かせる人がいなかった」
※Action(実際的活動)、Socialization(社会化)、Experience(体験)の略。
2日目の登山に向けて、前半のミッションを発表し、チームで行動計画を立案。地形図からルートを決定し、役割分担や行動時間の計算を行いました。様々な状況を想定しながら、チーム全員で認識をそろえて進めました。
当日発表の食材を使い、夕食と翌日の朝食メニューを考案。薪を使った調理や火起こしなど、慣れない環境での作業ですが、役割分担をしながら進めました。
レシピサイトは使わず、味覚と経験を頼りに試行錯誤し、完成させました。
実生活に近い活動だからこそ記憶に残りやすく、チームワークの現れ方が如実に見えるプログラムです。
夜は焚火を囲んでの「セルフストーリー」。
趣味、現在の自分、成長を感じた瞬間、悩み、これからの目標などを語り合いました。
昼間の活動で互いにフィードバックを重ねているからこそ、心理的安全性を保ちながら深い対話が生まれます。
「同期の関係を改めて大切にしたいと思った。」
といった声もありました。
朝はチームごとに予定した時間で行動開始。登山口に集合し、役割を決め地形図とコンパスを頼りに進みます。
細かな記録を取り、進行状況や時間経過を把握したことで、順調に進み、前半の課題を達成。山頂では快晴のもと北アルプス・中央アルプス・南アルプス、そして富士山まで見渡せる絶景が広がりました。
振り返り後、下山ミッションを発表し計画を再構築。
以下のような学びが共有されました。
「足りない役割を一人で補おうとしてくれたのはありがたいが、長い行動ではそれだけでは回らない。他者に任せることも必要」
「疲れが出る中で、笑顔がチームの雰囲気をよくしてくれた。表情一つでも与える影響は大きいことが分かった」
「同じ発言でも、シチュエーションやコンディションによってチームへの影響が変わる」
前日に細かく地形図の確認と計算を行っていたためスムーズ下山に必要な時間の計算ができ、状況に応じたその後の行動パターンも想定することができました。
途中チームで決めたポイントに立ち寄り景色を楽しみながら下山します。
前半の振り返りも活かし、無事下山。課題達成で締めくくることができました。
最後に、二日間の学びをもとに自身の振り返りと相互フィードバックを行いました。その上で、得られた気づきを職場や日常の行動にどのようにつなげるかを考えていただきました。
ご担当者様からは、
「リーダーが力を発揮できているときは、リーダー以外のメンバーが自分の役割をしっかり理解して行動していた。これは会社というチームでも非常に重要。今回の経験を大切にしてほしい。」
との言葉がありました。
信州アウトドア研修では、リーダーシップを役職によらず“役割に対して主体的に発揮する行動”と定義しています。グループワークを通して、自分の役割を認識し「受け身ではなく、どう貢献するか」を考える意識獲得を目指しています。